余命宣告されたい派と黙ってて派

先日会社の人と飲んでる時に、癌で余命が半年だとしたら、宣告されたい? それとも黙っててほしい? という話になりました。

僕は絶対に黙っててほしい派なので、勢い良く「ぜったいイヤですよねぇ?」と、飲み会に参加していた6人に言ったんですが、黙っててほしい派は僕ひとりだけだったのでビビりました。「さイ!?」っていう変な声を出してしまうくらいビビりました。

 

余命宣告されたい派の人たち(つまり僕以外の全員です)の意見をひとことで言うと、

残された余生を有意義に使えるから

というものでした。

しかし考えてみてください。半年って短すぎないですか。しかも「半年」の中に2月を挟むとしたら、28日間の月があるということですから、さらにちょっと短いじゃないですか。

 

何するんですか。

 

たぶんもう、有意義に過ごさなきゃ!っていう焦りだけがあって、実際は家でガリガリ君食べるだけで夜は死の恐怖で眠れないみたいな生活になりますよ。絶対。

これが半年じゃなくて5年でもいいですよ。例え5年あったとしても、そんなもんあっという間ですよ。5年間なら2月を5回挟むということですから、めちゃめちゃ短いですよ。4年に1回のうるう年も挟むので思ってるより短くないとはいえ、それは思ってるより、というだけで、短いのは短いわけですよ。

 

僕は余命宣告なんてされたくない。

死ぬまでの何年か、あと○年後に死ぬのだ…って恐怖に怯えながら生活しなきゃいけないんですよ? あと○年後に体がすべて内側から裏返って死ぬのだ…ゆっくり…そう、4時間くらいかけて…ゆっくり…裏返るのだ…せめてスタートは口からであってほしい…肛門からだったら「あ、肛門の方だ!」ってわかった時点で家族には部屋から出ていってもらわなきゃ…って恐怖に怯えながら生活しなきゃいけないんですよ?

 

そんな余生を過ごすくらいなら、いっそ今、ナポレオンの胸像と傘を持って高いビルから飛び降りた方がいくらかマシだと思うんです。

 

飲み会の席では死恐怖症(タナトフォビア)じゃないかと言われましたが、こうして改めて文章にしてみると、そうではないようです。

僕は、「イヤな状況で生きていくのがイヤ」なのです(だってイヤな状況なんだから誰だってイヤでしょう)。

余命宣告されたくないというのはつまり、「今から恐怖に怯え続けるイヤな状況で死ぬまでの半年間生きてくださいね」と高学歴の医者に半笑いで言われるのがイヤなのです。

※そういえば僕は昔からイジメとか拷問とか「死んだほうがマシな状況」が異常に苦手で、ハンター×ハンターのクチュクチュとか思い出しただけで吐きそうになるんですが、これもそういうことだったのでしょう。

 

というわけで僕は余命宣告なんてされたくないのです。

 

ただし、エロ動画とか彼女との恥ずかしいメールのやり取りなどはさすがに処分したいので、1日前には宣告してください。それだけはほんと、わがまま言いますけど、よろしくお願いします。