夜の公園のすすめ

人生で大事なものとは何でしょうか。

 

ちなみにぼくが学生の頃つきあっていた女性は、マイナスイオンのドライヤー!」と即答したため、「あ、ぼくは今ものすごいバカと付き合ってるんだな」と思ってその後ちょっと距離を置くようになったことがありますが、一般的には、

人と人との繋がりとか時間とかお金でしょうね。

 

しかし時には人と人との繋がりなんて忘れてひとりになりたいこともあるでしょう。

時間を忘れてのんびりしたい、ということもあるでしょう。

また、お金のことを忘れてしまいたいこともあるでしょう。実際ぼくもいま市民税のことを忘れたくて仕方ありません。

 

そんな時、ぼくは真夜中に公園に行くことにしているのです。

 

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 ぼくはそこでベンチに腰掛けて、15分くらい、たばこを吸ったりコーラを飲んだりして過ごし、そして、帰ります。目下のところ、ぼくの一番の趣味がこの、夜の公園への散歩なのです。

あらためて文字で書くとゴミみたいなやつだなと自分で思ってしまいましたが、とても素晴らしいので、みなさんにもおすすめしたいと思います。

 

まず言っておきたいのが、これはウォーキングではない、ということです。ウォーキングのように、健康とか運動とか、利があってはならないのです。

日中だと太陽光を浴びると体内にビタミンDが生成されるという利があるのですが、深夜だとそれすらありません。すばらしいじゃないですか。

 

また、部屋にいるとSNSや2ちゃんで「人と人との繋がり」に身を投じたり、「効率良く」娯楽を探してネットを巡回したり、ソシャゲで「お金」を使って魔法石を買ったりしてしまいますよね。

 

だから、散歩にでかけるのです。あと数時間したら寝なきゃいけない。さらに数時間したら起きて、人と利と金にギュウギュウに押し潰されて生きていく。

その前に! さあ、夜の公園に出かけましょう!

 

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持って行くものは150円とたばこ(吸う人は)のみ。

携帯やスマホは要りません。

必ず部屋に置いてきてください。

 

家を出たら徒歩10分圏内にある公園まで歩きましょう。

知っている道であっても、深夜、静かで誰もいない状態で見ると、また違った場所のように見えるはずです。

 

この時、思いっきり後ろ向きなことを考えるのがおすすめです。昔はよかったな…とか、人生なにもおもしろくない…とか。

生きているということは、すなわち「多かれ少なかれ前向きである」ということです。生命とは生まれた時からある程度の前向きさを強いられていると言ってもいいでしょう。

だから時には、あえて、めちゃめちゃ後ろ向きになってみるのも良いものです。ロケーション的にばっちりハマッてとても爽快です。

 

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ここで公園の条件について書いておきます。

・あまり大きすぎない

テーマパークっぽい感じがするので孤独に浸れない

・不良少年がたむろしていない

大きい道路沿いや、駅、コンビニが近い場合はたむろしてる確率が高いです

また、コンクリで固めた巨大なタコみたいな遊具があると高確率で出現します。

・背もたれの付いてるベンチがある

あれば楽。なくてもよい。背もたれがあると浮浪者が寝ることがあるためか、意外と背もたれなしのベンチが多いです。

 

ベストな公園を探すのは難しいのですが、色々歩いて公園めぐりをしてみてください。

 

幸いにも良い公園でベンチを見つけたら、あとは座ってぼ~っとするだけです。

冷たいコーラを飲んでもいいし、たばこを吸ってもいい。風で木が揺れる音を聞いてもいいし、ぽつんと点いてる電灯をじ~っと見ててもいいです。

 

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普段なら何かしなきゃとか、何かを学ばなきゃ、何かを感じなきゃ、といったことを考えたり行動したりしますが、今だけ、

ムダで、退屈で、孤独で、後ろ向き

であってください。

ちなみにぼくは昨日も公園に行ってきましたが、帰るまでの間、

 

たばこを吸おう…スー…ふう

またたばこを吸おう…スー…ふう

 

くらいしか考えませんでした。あとはせいぜい昔のことを思い出したり。蚊に刺されたとこをポリポリかいたり。

 

静かで暗い場所に一人座っていると、心がすごく深く落ち着いてきます。ていうか、「深く落ち着く」以外にやることがないので必然的にそうなります。

すると、冒頭で挙げた「人生で大事なこと」を忘れていきます。

だって深夜に何の意味もなく歩いて、何の変哲もないちっさい公園のベンチに座ってる時点で、とてつもなくムダなことをしてるわけで、そんなムダの真っ最中に「人生で大事なこと」を考えるなんて、それ以上バカバカしいことはないでしょう

 

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さて、しばらくすると退屈になってくるはずです。別に耐える必要はありません。

「こういう退屈を楽しめなきゃ」みたいな貧乏くさい考え方はしなくていいんです。誰だって退屈ですよそりゃあ。だからこそ深夜の公園のベンチはガラガラなわけですから。

退屈に耐え切れなくなったら、素直に帰ってください。

はぁ、何もなかったなー! そんな清々しい気持ちで暗い道を歩いて帰ってください。おめでとうございます。

 

そうして、公園から家に帰ってみれば、自分の部屋の電灯の明るさや、娯楽や、LINEのメッセージが、いつもよりあたたかく感じるはずです。2ちゃんまとめのクソしょうもない芸能記事でさえ、これを誰かが書いたんだな、と思うと、なぜかホッとしたりするのです。

 

人間関係を大事にしろとか効率よく時間を使え前向きに考えろ、ということは多くの人が言っているのに、ムダで、退屈で、孤独で、後ろ向きであることも時には良いものだよ、というのはなかなか言う人がいません。

 

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ぼくは、どちらも大切なことだと思うのです。

 

人と人との繋がりや、効率やお金を忘れることも時にはいいと思うのです。あと市民税のことを忘れるのもいいことだと思うのです。

なんですでに引越しした町に税金を払わなきゃいけねぇんだよ…。そんなんありかよ…。